天然ランドトランス
更新: 2016年7月13日
天然ランドトランス (てんねんランドトランス) は、スペルカードのランドトランスのような効果を、カードを使わずに実現するテクニック。省略して天然ラントラ、天然トランス、天トラなどとも呼ばれる。
カルドセプトDSまでは領地売却の際、売却額は土地価値がそのまま適用されたが、カルドセプト(3DS版)ではゲームシステムが変更され、売却額は土地価値の8割となった。この変更に関しては大宮ソフトのデザイナーズノート「領地売却にまつわる調整」(外部リンク)で説明されている。
以下、天然ランドトランスの仕組みについて詳細に解説する。
解説 †
ゲーム中に手持ち魔力がマイナスになると、所持している領地や護符を手放して、マイナス状態を解消しなければならなくなる。
天然ランドトランスはこのマイナス状態を解消する際に、連鎖している高額領地を手放して多額の魔力を獲得し、その魔力を他の領地のレベルアップに使って総魔力を増大させるテクニックである。
3DS版以前では総魔力を爆発的に増やすことができたため、非常に重要なテクニックであった。3DS版では前述の通り売却額が土地価値の8割に変更されたことにより、総魔力を大きく伸ばすことが難しくなり、テクニックとしての重要性が薄れた。
仕組み †
連鎖していない土地の価値は、初期価値と、レベルアップにかかった魔力の合計となる。このため連鎖していない土地を手放した場合、レベルアップする際に支払った魔力がそのまま戻ってくる程度に過ぎず、魔力増幅効果は望めない。
連鎖している土地の価値は、初期価値とレベルアップ魔力の合計に対し、連鎖数に応じた係数が掛け算される。2連鎖で1.5倍、3連鎖で1.8倍、4連鎖で2倍、5連鎖で2.2倍となるため、連鎖している土地を手放した場合、レベルアップする際に支払ったより多くの魔力が手に入ることになる。これが天然ランドトランスの仕組みである。
ケーススタディ(3DS版以前) †
5連鎖の領地 (いずれも初期価値100G・レベル1) を得たとする。
このとき手持ちの魔力が700Gだったとすると、総魔力は次のように計算される。
魔力 | 700G | |
---|---|---|
土地A | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地B | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地C | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地D | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地E | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
総魔力 | 1800G | 手持ち 700G + 土地 1100G |
次に土地Aに対し、700Gを支払ってレベル4に上げたとする。
魔力 | 0G | |
---|---|---|
土地A | 1760G | 土地価値 800G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地B | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地C | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地D | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地E | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
総魔力 | 2640G | 手持ち 0G + 土地 2640G |
ここで対戦相手の領地を踏んで、通行料100Gを支払ったとする。
魔力 | -100G | |
---|---|---|
土地A | 1760G | 土地価値 800G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地B | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地C | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地D | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地E | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
総魔力 | 2540G | 手持ち -100G + 土地 2640G |
手持ち魔力がマイナスなので、土地Aを手放すことにした。
手持ち魔力は -100G + 1760G = 1660G となる。
また5連鎖から4連鎖となるので、各土地の連鎖係数は2.0倍に落ちる。
魔力 | 1660G | |
---|---|---|
土地B | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地C | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地D | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地E | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
総魔力 | 2460G | 手持ち 1660G + 土地 800G |
次に土地Bに対し、1500G支払って、レベル5に上げたとする。
魔力 | 160G | |
---|---|---|
土地B | 3200G | 土地価値 1600G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地C | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地D | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地E | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
総魔力 | 3960G | 手持ち 160G + 土地 3800G |
最初にレベル4にした時点での総魔力は2640Gだったが、天然ランドトランスを行いレベル5を作ったことで、収支は1320Gのプラスとなった。
ケーススタディ(3DS版) †
5連鎖の領地 (いずれも初期価値100G・レベル1) を得たとする。
このとき手持ちの魔力が700Gだったとすると、総魔力は次のように計算される。
魔力 | 700G | |
---|---|---|
土地A | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地B | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地C | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地D | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地E | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
総魔力 | 1800G | 手持ち 700G + 土地 1100G |
次に土地Aに対し、700Gを支払ってレベル4に上げたとする。
魔力 | 0G | |
---|---|---|
土地A | 1760G | 土地価値 800G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地B | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地C | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地D | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地E | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
総魔力 | 2640G | 手持ち 0G + 土地 2640G |
ここで対戦相手の領地を踏んで、通行料100Gを支払ったとする。
魔力 | -100G | |
---|---|---|
土地A | 1760G | 土地価値 800G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地B | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地C | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地D | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
土地E | 220G | 土地価値 100G × 5連鎖時の係数 2.2倍 |
総魔力 | 2540G | 手持ち -100G + 土地 2640G |
手持ち魔力がマイナスなので、土地Aを手放すことにした。
売却額は1760Gの8割で、1408G。
手持ち魔力は -100G + 1408G = 1308G となる。
また5連鎖から4連鎖となるので、各土地の連鎖係数は2.0倍に落ちる。
魔力 | 1308G | |
---|---|---|
土地B | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地C | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地D | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地E | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
総魔力 | 2108G | 手持ち 1308G + 土地 800G |
次に土地Bに対し、700G支払って、レベル4に上げたとする。
魔力 | 608G | |
---|---|---|
土地B | 1600G | 土地価値 800G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地C | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地D | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
土地E | 200G | 土地価値 100G × 4連鎖時の係数 2.0倍 |
総魔力 | 2808G | 手持ち 608G + 土地 2200G |
最初にレベル4にした時点での総魔力は2640Gだったが、天然ランドトランスを行いレベル4を作ったことで、収支は168Gのプラスとなった。
差 †
上記ケーススタディの例において、3DS版以前では収支1320Gだったが、3DS版では収支168Gとなる。
3DS版では上記の例の後、土地Cと土地Dをそれぞれレベル3にすれば収支768Gとなるが、手数が余計にかかる上、そこまでしても3DS版以前に比べて収支が低い。天然ランドトランスが有効な場面がまったく無くなったわけではないが、安易に行っても決定打には結びつきにくくなった。
テクニックが重要視される理由 †
3DS版以前で天然ランドトランスが重要視された原因は、総魔力が上昇するのに必要なラウンド数にある。
初期価値100Gの土地をレベル5にするためには1500Gの魔力が必要である。ケーススタディの例では、最初の時点で700Gの魔力を持っていたので、差し引き800Gを調達しない限りレベル5の領地を作ることはできない。
通常の手段で800Gの魔力を稼ぐためには、周回1回分以上のボーナスを獲得するか、対戦相手に高額領地を踏ませるなどして通行料を得るか、マナに代表される魔力が得られるカードを複数回使用するなど、時間をかけて様々な手段を講じる必要がある。
天然ランドトランスの場合、最短2ラウンドでその効果が得られる。これを上記ケーススタディの例で説明する。
- 1ラウンド目
- 自分の土地Aを通過しつつ対戦相手の領地を踏み、通行料を支払うことになったタイミングで、土地Aをレベル4にする。レベルアップ直後に通行料を支払うことになって魔力がマイナスになるので、たった今レベルアップしたばかりの土地Aを手放し、魔力を得る。
- 2ラウンド目
- 自分の土地Bを通過し、土地Bをレベル5にする。
このように通常の手段に比べて総魔力増幅のスピードが速いため、その分だけ素早く勝利しやすくなる。
対抗手段 †
天然ランドトランスに対する対抗手段は主として2つ。
1つは「土地を手放して、魔力を得る」ラウンドと「得た魔力を使用し、レベルアップする」ラウンドの間に、大量の魔力を保持した状態になるタイミングが存在するため、ドレインマジックを使用すること。稼ぎ出した魔力を奪って困らせるばかりでなく、魔力を奪うことで自分自身の利益にもつながるため、非常に有効。手札にドレインマジックを保持しておくことで、対戦相手が天然ランドトランスしにくくなる効果が期待できる。
もう1つは対戦相手の連鎖を削ること。連鎖数が1つ落ちるだけでも、天然ランドトランスによって得られる魔力の増幅量が大きく落ち込むため、レベル1の土地であっても積極的に侵略しておくと相手を困らせることができる。また天然ランドトランス後はさらに連鎖が減るため、得た魔力を使ってレベルアップしても、それほど総魔力が伸びないという状態を作ることができる。
コメント †
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関連 †
- 聖堂トランス
- 領地売却にまつわる調整 (外部リンク)